過敏性腸症候群に必要な鑑別

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「潰瘍性大腸炎」
潰瘍性大腸炎は,大腸の最も内側にある粘膜部分に炎症が生じ,その粘膜にびらんや潰瘍ができてしまう炎症性腸疾患の一つです。

これまで日本に比べて欧米で多いことが知られていましたが,食生活の欧米化などで、日本において急激に増加してきています。

潰瘍性大腸炎の原因はまだはっきりしたことは解明されていません。

 

しかし,遺伝的な要因のある患者さんに環境的要因のきっかけが生じることにより何かしらの免疫異常が生じて病気が発症するということが分かってきました。

この潰瘍性大腸炎に対する治療がうまくいかなかったり,病気の勢いが強くなったりすると,重症化してしまい深い潰瘍から穴が開いてしまうこともあります。

また長い間炎症が続くことで大腸癌の原因となったりする場合もあります。

症状としては,赤い血が混じった便が出る「血便」、ねばねばした便,下痢,腹痛などがあり,これらの症状が出たり出なかったりを繰り返す慢性の病気です。

重症になると発熱や頻脈などの全身の症状が現れてきます。

 

「大腸がん」
大腸癌は、結腸・直腸・肛門で構成される腸に発生する「癌」で、日本人において発症が多い部位は、S状結腸と直腸で、大腸癌の全体の7割を占めています。

多くは、大腸の内側の粘膜から腺腫である「ポリープ」と呼ばれる良性の腫瘍が発生し、その一部が、癌化(がんか)して増えたものです。

 

一部の大腸癌では、発癌刺激を受けた正常粘膜から、ポリープを経由せずに直接癌が発生する場合もあります。

粘膜の表面から発生した大腸がんは、大腸の壁に侵入して粘膜下層から筋層へと広がり、進行するにつれて、リンパ節や肝臓、肺などの他の臓器に転移します。

 

そして、早期の場合は症状がほとんど見られないのが特徴となっています。

どの部位に癌が発生した場合でも共通して見られる症状は、腹痛、腹部膨満感(お腹の張り)、嘔吐、便やガスが肛門までたどり着かず、腸管内に溜まり続ける、腸閉塞などがあります。

 

「クローン病」
クローン病は、主に若い年齢層の方に発症しやすい病気です。

口腔から肛門に至るまでの消化管のあらゆる場所、特に小腸や大腸に炎症や潰瘍を引き起こす病気で、発症すると、腹痛、下痢、体重の減少といった症状が出るほか、大出血を引き起こすことがあります。

原因は不明ですが遺伝や、環境因子、免疫の異常などが複雑に絡みあって発症すると考えられています。

 

過敏性腸症候群でお悩みの方は是非一度当院へご相談ください。

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