そもそも私たち日本人は
日本人は世界的に見ても胃腸の調子が悪い人が多いといわれていますが、そんななかでも近年急増しているのが「過敏性腸症候群」です。
おなかの不調があっても、「そのうち治るから」「気のせい」としてそのままにしてしまっている人は多く、また、これらのおなかの不調があって病院で検査をしても異常が見つからず、「様子を見ましょう」で済まされてしまったことがある人もたくさんいるでしょう。
そして、自己流で腸によいといわれる食物繊維や発酵食品を積極的に試している人も、かなりの数いることでしょう。
「腸にいい食事」。実は「過敏性腸症候群」を悪化させていた!?
「過敏性腸症候群」の症状は、ある特定の食品群が原因のひとつであることが近年の研究で明らかになりました。
たとえば、食物繊維が豊富な「ごぼう」や「にら」、発酵食品の「納豆」、「ヨーグルト」、「キムチ」などは、腸に異常がない人にとっては腸を整えるすばらしい食品ですが、過敏性腸症候群の人にとっては、腸の不調をさらに悪化させてしまう食品だったのです。
これらの食品は、「高フォドマップ食品」と呼ばれ、オーストラリアのモナッシュ大学で発見されました。
この食品を避けた「低ファドマップ食事法」はアメリカの大学などでも論文が発表され、今では欧米の大学病院では、この食事法が盛んに取り入れられています。
そして「科学的な根拠がはっきりした、もっとも安全かつ有効性の高い食事法」として認識されているのです。
これをやめれば「過敏性腸症候群」が改善?
上記しました「FODMAP」とは、4つの糖質を表す言葉で
「F」=発酵性の
「O」=オリゴ糖
「D」=二糖類
「M」=単糖類
「P」=ポリオール
を指しています。これらの糖質は小腸で吸収されにくく、人によってはこれらの糖質を多く含む食品をとると、おなかの不調が起こってしまうという仕組みです。
O=オリゴ糖はパンや麺などの小麦食品と豆類、Dの二糖類は牛乳やヨーグルトなどの乳製品、Mの単糖類はフルーツやはちみつ、Pのポリオールはガムなどに含まれているキシリトールといった糖質などです。
「過敏性腸症候群」の人たちは、これらの吸収されにくい糖質を含む食品がおなかの不調を呼び込んでしまうため、これらの食品を控えることこそが「過敏性腸症候群」の改善策と言えるでしょう。
「過敏性腸症候群」の食品選び
まずは、食べても大丈夫な食品をご紹介します。
- 穀物
「米」、「玄米」、「そば」、「もち米」、「もち」、「せんべい(米菓子)」 など
- 野菜、いも、きのこ、豆
「ブロッコリー」、「ピーマン」、「にんじん」、「じゃがいも」、「もやし」、「大根」、「たけのこ」、「かぼちゃ」、「トマト」、「なす」、「レタス」、「キャベツ」、「きゅうり」、「ほうれん草」「オクラ」、「白菜」、「ショウガ」、「豆乳」、「木綿豆腐」 など
- 果物
「バナナ」、「みかん」、「オレンジ」、「キウイフルーツ」、「いちご」、「ぶどう」、「パイナップル」、「ブルーベリー」、「レモン」、「マスクメロン」 など
- 乳製品
「バター」、「マーガリン(牛乳を含まないもの)」、「チェダーチーズ」、「ゴーダチーズ」、「パルメザンチーズ」、「モッツァレラチーズ」、「カマンベールチーズ」、「ゴルゴンゾーラチーズ」 など
- 肉、魚介、卵、ナッツ、スパイス
「ベーコン」、「ハム」、「牛肉」、「鶏肉」、「ラム肉」、「魚介類」、「卵」、「アーモンド(10粒以下)」、「くるみ」、「ピーナッツ」、「栗」、「バジル」、「唐辛子」、「カレー粉」、「シナモン」 など
- 飲みもの
「緑茶」、「紅茶」、「コーヒー(ストレートコーヒー1日1杯まで)」、「ココア」、
「ビール」、「ウイスキー」、「ジン」、「ウォッカ」、「日本酒」、「水」 など
- 調味料、その他
「マヨネーズ」、「オリーブオイル」、「メープルシロップ」、「しょうゆ」、「酢」、
「トマトソース」、「マスタード」、「ウスターソース」、「味噌」 など
次に、「過敏性腸症候群」の人は控えたほうがいい食品】
- 穀物
「パン」、「うどん」、「パスタ」、「ラーメン」
「ピザやお好み焼きなど小麦使用の食品」、「ケーキなどの焼き菓子全般」 など
- 野菜、いも、きのこ、豆
「玉ねぎ」、「にんにく」、「きのこ類」、「アスパラガス」、「スナップえんどう」、 「カリフラワー」、「ごぼう」、「セロリ」、「さつまいも」、「ねぎ」、「にら」、「大豆、豆類全般・納豆」、「絹ごし豆腐」 など
- 果物
「りんご」、「柿」、「すいか」、「桃」、「梨」、「さくらんぼ」、「グレープフルーツ」、「アボカド」、「ドライフルーツ」 など
- 乳製品
「牛乳」、「ヨーグルト」、「クリームチーズ」、「カッテージチーズ」、「リコッタチーズ 」、「プロセスチーズ」、「ブルーチーズ」、「アイスクリーム」、「生クリーム」 など
- 肉、魚介、卵、ナッツ、スパイス
「カシューナッツ」、「アーモンド(20粒以上)」、「ヘーゼルナッツ」、「ピスタチオ」 など
- 飲みもの
「アップルジュース」、「オレンジジュース」、「ウーロン茶」、「チャイ」、
「ハーブティー(強いもの)」、「はちみつ入りジュース」 など
- 調味料、その他
「トマトケチャップ」、「はちみつ」、「固形スープの素」、「ガム」、「キャンディ」 など
以上が「過敏性腸症候群」の人が食べて大丈夫な食品と控えたほうがいい食品のリストです。
まずは、3週間、「控えた方がいい食品」をすべてやめてみてください。
すると、おなかのさまざまな不調や不快感に変化が見られると思います。
次の週からは1週間ごとにひとつの糖質を含む「控えたほうがいい食品」を食べ、自分のおなかの様子や排便の状態などをうかがいます。
そうすることで、自分の腸にはどの食品が大丈夫で、どの食品を控えるべきかがよくわかるようになります。
最終的には自分だけの「食品リスト」がつくれるようになることを目指しましょう。
お電話ありがとうございます、
とも鍼灸治療院でございます。