「起立性調節障害」とよく似た症状として、「起立性低血圧」と呼ばれるものがありますが、果たしてこの両者には違いがあるのでしょうか。
一般的に言って、「起立性調節障害」とは、立ち上がった時に重力の影響を受けて血液が下のほうに溜まってしまい、心臓に戻る血液が少なることによって引き起こされる症状のことを言います。
こうした状態により、血液は脳にまで行くことができず、立ちくらみを起こしたりめまいを引き起こしたりするというわけです。
この症状とよく似ているのが「起立性低血圧」です。
「起立性低血圧」も、立ち上がった時に立ちくらみやめまいを起こすことがありますが、この症状はたいてい25秒以下でおさまる一過性のものであると言われています。
それに対して、「起立性調節障害」の場合は、しばらく症状が改善されず、うずくまったり座ったりしてもなかなか症状がおさまりません。
簡単に言えば、「起立性調節障害」によって起きる症状の一つが「起立性低血圧」と言えるでしょう。
「起立性調節障害」は子どもに多い病気と言われていますが、子どもの頃に症状を発症した約4割が成人後も日常生活に支障が出る場合があります。
また、大人になると「交感神経」が優位に立つ傾向があるため、30歳以降に発症する場合もあります。
大人になって起立性調節障害を自覚する症状として、
①.朝起きる事が出来ない
②.起きると気分が悪くなる
③.めまいや立ちくらみがする
といったもので、子どもの症状をほぼ同じと言われています。
「起立性調節障害」は「交感神経」と「副交感神経」という自律神経のバランスが乱れるために起こる症状で、ストレスに影響されやすい傾向があります。
大人で発症する原因としてはこのストレスが大きな要因となる場合があります。
また、夜寝るのが遅く起床時間も遅かったりと生活リズムの乱れも原因の1つとして考えられます。
血液を心臓に戻す運動をしましょう
「起立性調節障害」の人に多くみられるのは、脚や手などの末端部の血管の収縮力が弱く、血液の循環が悪くなりがちなことです。
つまり、末端部の血液が、心臓にうまく戻らずにむくみの原因にもなります。
脚の場合、血液の循環に大きな役割を果たしているのは、ふくらはぎの筋肉です。
この、ふくらはぎの筋肉を鍛えるには
①.ウォーキング
②.階段昇降
この2つが簡単にできて効果的です。
ウォーキングは、頭痛や肩こりのときには気分転換にもなります。
ただし、早歩きをすると動悸や息切れを起こしやすい人もいます。その場合には無理をせず、散歩のつもりでゆっくり歩きましょう。
なかなか時間がとれない人なら、自宅での階段昇降もいい方法です。
階段といっても、急な階段を上り下りするのは危険なので、玄関の段差など1段だけを利用します。
転倒しないように壁などに手を添えて、1段を上り、後ろ向きに下ります。
年齢にもよりますが、50~100回を目安にゆっくり取り組み、時々上るときの脚を左右入れ替えるようにしましょう。
この運動自体が血液循環をよくしますが、ふくらはぎに筋肉が付くことで自然に脚の血液循環が改善され、むくみの解消にもつながります。
食事を変えてみましょう
「起立性調節障害」の人は、食欲不振などから食事をきちんと取れないことが多く、栄養のバランスが悪くなってしまいがちです。
1回ごとの食事の量は多くなくてもいいので、3食きちんと食べるように心掛けましょう。
特にタンパク質(肉類、魚類、納豆などの大豆食品)をしっかり取ることが大切です。
また、不足しがちなミネラルを補うために、野菜や海草類を積極的に取ることも大切です。
高血圧の場合には塩分が制限されますが、低血圧では反対に塩分をきちんと取ることも必要ですが、大量に取る必要はありません。
一般に低血圧の人は疲れやすいので、塩分と疲労回復に効果的なクエン酸が多くふくまれる「梅干」を、食事と一緒に取るのもいい方法です。
そして、水分を多めに摂取することも大切です。
水分を取ることは、血液量を増やすことにもつながります。1日1ℓ~2ℓを目安にしましょう。
ただし、脚などにむくみが出る場合は、量を減らしてください。
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