「脳過敏症候群」というのは、その名の通り、脳が興奮状態になり過敏になって、様々な症状が出てしまう病気です。
「片頭痛」の間違った対処によって、脳の興奮状態が蓄積して脳過敏となり、さまざまな症状が出てしまうと考えられています。
脳過敏症候群は、「片頭痛」に対して一般的な頭痛薬をくり返し服用することで、「薬物乱用頭痛」になり、脳過敏症候群に進行すると考えられています。
命が危ない、ということにはなりませんが、四六時中悩まされるので、日常生活はもちろんのこと、社会生活を送るうえでも支障をきたすぐらいの強い症状が出てしまいます。
しかも、病院に行っても「原因不明の頭痛」とか「原因不明の耳鳴り」とか、「原因不明」で片付けられてしまう事が多いのです。
主な症状として、
不眠症状、耳鳴り、めまい、難聴の他に、不安感、抑うつ感などがあります。
さらに、物忘れが激しくなったり、イライラして攻撃的になることや、奇行を繰り返してしまう場合もあります。
また、認知症、うつ病、パニック障害だと思われていた人が、実は脳過敏症候群だったということもあるようです。
脳過敏症候群の原因は?
日本では欧米に比べると頭痛を病気として認識していない方が多くいます。
そして、症状があるが、頭のCTやMRI検査でも異常がなく、耳鼻科で診てもらっても特に異常を言われないという方は当てはまっている可能性があります。
脳過敏症候群の原因は、「片頭痛」に対して、適切な対処を行わなかったことによると考えられています。
「片頭痛」などの一般的な頭痛もちの患者さんが、長期間くり返し鎮痛剤を使い続けるなどの不適切な対応を続けることで、引き起こされます。
反対に、「頭痛なんか病気じゃない、がまんしていれば治るはず」と何の治療もせずに放置していても引き起こされます。
脳過敏症候群のもともとの原因である「片頭痛」が、どのようにして起こるかは明らかになってはいません。
頭蓋(とうがい・ずがい)内の血管に関係する三叉(さんさ)神経が何らかの原因で刺激されると、脳に興奮の情報が伝えられます。
それによって血管が拡張したり、「閃輝暗点」と呼ばれるきらきらした光が見える視覚症状が出たり、悪心・嘔吐などの「片頭痛」の症状が出ると考えられています。
一般的に、「片頭痛」の痛みは、年齢を重ねるとともに減弱していくことが多いです。
「片頭痛」は、脳の血管が異常に拡張して、血管周囲にあるセンサーの役目を果たしている「三叉神経」への刺激が元になり、大脳が興奮することが原因で起こります。
ところが、中高年になると、脳の血管は動脈硬化を起こし、異常な血管拡張が起こりにくくなります。そのため、「三叉神経」への刺激情報を伝わりにくくなって、痛みが弱まるというわけです。
しかし、痛みが弱まったからといって、大脳の興奮が治まったわけではありません。
「片頭痛」の度に大脳が興奮を繰り返すと、後頭葉や側頭葉、さらには視床という感覚の中枢から、小脳というめまいや平衡感覚に関連した部位にその刺激情報が繰り返し伝えられます。
結果として、脳の各部位は正常に働かなくなり、脳過敏症候群の症状が引き起こされると考えられています。
しかし、脳過敏症候群の原因である「片頭痛」に対して一般的な頭痛薬を使うと、頭痛は治まらないばかりか、一時的な頭痛はよくなったとしても頭痛をくり返します。
そうすると鎮痛薬を服用する機会が増え、「薬物乱用頭痛」という状態になります。
また、一般的な頭痛薬では「片頭痛」による脳の興奮は治まりません。そのため、脳の興奮状態がどんどん蓄積されて、脳過敏の状態になります。
その結果、不眠や頭重など脳の興奮が高まって起こる脳過敏症候群の症状が発現するようになるのです。
そして、脳脳過敏症候群の原因として自律神経のバランスの乱れがあります。自律神経のバランスが乱れることにより、脳過敏症候群の症状が引きおこされます。脳過敏症候群を治すためには、自律神経のバランスが大きなポイントになります。
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