頭痛があるときの入浴

「頭痛」の対策としてお風呂は有効な場合があります

しかし、お風呂で悪化する頭痛もありますので注意が必要です。

自分が悩んでいる頭痛のタイプがどちらなのかを把握していなければ、入浴が逆効果になってしまいます。
そもそも、頭痛と言ってもいくつかの種類があります。

  • 「緊張型頭痛」
  • 「片頭痛」

このどちらかであるかがほとんどです。

 

「緊張型頭痛」と「片頭痛」

この二つの頭痛の違いを簡単に説明します。

  • 「緊張型頭痛」

血管が収縮して起きる頭痛です。
ですので、血流を良く(血管を拡張)することで症状が緩和します。

  • 「片頭痛」

「緊張型頭痛」とは反対に、血管が拡張して起きる頭痛です。
ですので、血管を収縮させることで症状が緩和します。

 

これらのことから、

・「緊張型頭痛」=入浴で軽減される頭痛

・「片頭痛」片頭痛」=入浴で悪化する頭痛

入浴すると血流が良くなるので、「片頭痛」には逆効果になるというわけです。

むしろ「片頭痛」には頭を冷やした方が良いと言われています。

入浴方法

  • 「緊張型頭痛」の場合

「緊張型頭痛」は、頭、首、肩の筋肉のコリが原因と考えられていて、
頭がヘルメットで締め付けられるような感じがして、頭全体が痛む頭痛です。
筋肉のコリは血行不良によるものですが、ストレスが大きく関係していると考えられています。
ストレスによって自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、その結果血流が悪くなるので筋肉内に老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて起きてしまうと考えられています。
ですので、「緊張型頭痛」を軽減するには肩こりを解消して血行を改善すれば良いということになります。

40℃10分の全身浴がおすすめです

「緊張型頭痛」にはストレッチも有効なので、入浴後にストレッチをする習慣をつけましょう。

  • 「片頭痛」の場合

問題はこちらの「片頭痛」です。
はっきりとした原因は解明されおらず、頭の一部がズキンズキンと拍を打つような痛みが特徴となります。
これは脳の血管が拡張することで、周囲の三叉(さんさ)神経を刺激していると考えられています。
これもやはりストレスが主な原因だとされていますが、なぜストレスが原因で血管が拡張するのか不思議ですよね。

ふつうであればストレスは交感神経を刺激するので血管は収縮するはずですよね?

ただ、仕事のない週末などに「片頭痛」が起こりやすく、これは心身のストレスから解放されて、一気に血流が良くなり血管が膨張するのではないかと考えられています。

さらに、興味深いのは「片頭痛」で悩んでいる方は「冷え性」の人が多いということです。

冷え性の人の手足の先が冷えるのは血液のめぐりが悪いからで、それは臓器など体の大事な部分に血液が集まっているからなんですね。
冷え性の人は代謝が悪く熱を作り出しにくいので、体の大事な部分を優先的に熱を確保しようとします。
体の大事な部分として脳も例外ではありません。
だから冷え性によって脳血管が拡張し周囲の神経を刺激している可能性があるのです。

であれば、「片頭痛」を軽減するには、冷え性を解消して血流を全身に拡散させれば良いということになります。

39~40℃15分の全身浴半身浴なら20~30分が目安をめやすとして、体への負担を感じるなら3回に分けて短時間の入浴する「分割浴」がおすすめです。

何しろ「片頭痛は入浴することによって悪化する」なんて言われたらお風呂なんて入らない方が良いということになってしまいがちです。
もちろん、「頭痛発作」が起きている最中は入浴は控えるようにしてください。
それから、入浴中に「頭痛発作」を感じたらすぐに風呂から上がって頭を冷やすようにしましょう。

  • どちらの頭痛かわからない場合

「緊張型頭痛は温めると良い」「片頭痛は冷やすと良い」というふうに、対処法が真逆になっていますので注意が必要です。
しかし、どちらも自律神経の乱れ、血行不良が原因ですから、普段の入浴では

  1. 好きな入浴剤やアロマを使用して、リラックス効果が得られるような工夫をしてみる。
  2. 熱い湯は避けて、できるだけ長湯はしないようにし、入浴後1~2時間後に入眠する。

この二つは今日からでもすぐに始めることができます。

自律神経のバランスを整え、血行促進に励むことが「頭痛」の予防になることは間違いことです。

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とも鍼灸治療院