パニック障害とカフェイン

パニック発作とは、

①.突然の動悸

②.息苦しさ(過呼吸)

③.めまい

④.発汗

⑤.冷感

⑥.手足の震えやしびれ

などの強い恐怖感を伴う発作を繰り返すことを特徴とする病気です。

従来は不安神経症の一部として扱われてきましたが、その特徴的な病像から「パニック障害」とされました。

日本でのパニック障害の有病率は約0.5%と言われております。

パニック障害がどうして発症するのか、そのメカニズムはまだはっきりとは解明されていません。

しかし、最近は脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどが不均衡になり、これらの過剰や不足によって脳内の神経回路に異常が起こるのではないかと言われています。

これは、「恐怖」や「不安」などの記憶が、我々の日常で様々な出来事を記憶する回路とは違う、扁桃体を中心とした「大脳辺縁系」というところで恐怖の記憶として残ります。

大脳辺縁系は、情動反応の処理と記憶について重要な役割を持ち、我々人間が動物である限り、危険を察知して回避するために本能的に必要な記憶として強く長く残るためと言われております。

このため以前に発作を起こした場所などの状況で危険が差し迫ったと脳神経が誤って警報を出すため、パニック発作や予期不安が生じるのではないかと言われております

カフェインは関係があるのか?

「カフェイン」はパニック発作を引き起こす物質であることがわかってきました。

コーヒー5杯分のカフェインを摂ると半数以上のパニック障害患者は発作を起こします。

カフェインは脳内の「アデノシン」という神経伝達物質の働きをストップさせる作用があります。

アデノシンはパニック発作を引き起こす「ノルアドレナリン」のブレーキ役であるので、カフェインはパニック発作を誘引します。

コーヒーよりもカフェイン含有量の高い紅茶を飲んでも発作が起きないのかと疑問もあります。

茶葉や豆の段階では、カフェイン含有率はコーヒーが最も低いのですが、カップー杯分に使う量が多いので、結果的に1回に飲む量のカフェインはコーヒーが一番多くなってしまうのです。