更年期障害と関節痛の関係

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更年期に起こる関節の痛みの多くは、関節を支える軟骨や筋肉の衰えや、加齢・急激な「エストロゲン」の分泌減少などが大きな理由です。

女性ホルモンの働きとして、排卵の促進や子宮・乳房を発達させるイメージがありますが、他にも自律神経を安定させる作用、骨を丈夫にしたり、コレステロールを下げる作用もあります。

 

更年期障害による関節痛は、痛む部位が日によって変わり、特定の関節だけが痛むことはあまり多くないようです。エストロゲンには炎症を抑える作用があり、これが足りなくなることで関節に炎症が起きやすくなり、関節炎を引き起こしてしまうと考えられています。

 

また、更年期では「むくみ」やすくなるため、手指のむくみを関節の腫れぼったさのように感じる人もいます。さらに、エストロゲンには保湿作用があるため、更年期にエストロゲンが減少すると皮膚が乾燥しやすくなります。関節部分の皮膚が乾燥することにより、曲げ伸ばしをする際に関節のこわばり感を感じるケースもあります。

関節や軟骨を守る自己ケア

  • 意識して骨や関節によい栄養素も摂取

バランスのよい食生活を心がけることが大切ですが、骨や関節の健康を保つためにはカルシウムを積極的に摂取するのがおすすめです。カルシウムが多く含まれる食材には、牛乳、チーズ、小松菜、小魚などがあります。また、「ビタミンB群」「ビタミンC」「ビタミンE」を豊富に含む食材を食べると、血行が促進され骨や関節の健康維持に役立ちます。

  • 関節を温める

腰や手足の冷えは更年期障害によくある症状の一つですが、身体が冷えると関節の痛みが悪化します。衣服を重ね着する、カイロを常備するなどして体を温める工夫をしましょう。特に、「ひざ」や「ひじ」などの冷えやすい部分は意識して温めることが大事です。ただし、痛みのある関節が炎症を起こし、熱を持っている場合は、温めず冷やすようにしましょう。

  • 適度な運動

運動で血行を促進することで関節の動きも改善されます。ウォーキングやラジオ体操などの運動を、軽く汗をかく程度に行いましょう。ただし、張り切りすぎて過度の運動をすることはかえってよくありません。中高年からスポーツを始める方の関節障害が増えていますから、無理をしないことが大切です。