まずは、膝の関節がどのような構造になっているのか簡単に説明させていただきます。
膝の関節は、
①.大腿骨(太ももの骨)
②.脛骨(すねの骨)
この2つの骨がすべるようにして動きます。
これは骨と骨とが直接ぶつかっているのではなく、骨の表面に「軟骨」というものが被っており、その軟骨の表面同士がすれ合っているのです。
この構造は、すべての関節に当てはまります。
ちなみに、軟骨は、氷の上に氷を滑らせるよりも遥かに滑るといわれており、摩擦が非常に少ないのです。
また、軟骨は神経細胞がありませんので、痛みを感じません。
つまり、関節は軟骨があるから痛くないのです。
ではどうして膝に痛みが出るのか?
「変形性膝関節症」と言われるものは、軟骨がすり減り、痛みが出てくる状態をいいます。
ひどくなると「O脚」などの変形が進み、歩くたびに激痛に悩まされます。
例えば、若い人の軟骨を見ると、きれいで真っ白な平らの状態です。
反対に軟骨が痛んでくると、異常に柔らかくなったり、どんどん削れていって、最後は無くなってしまいます。
軟骨が無くなると、骨が見えて直接骨同士がぶつかることになり、とても痛くなります。
これは、「変形性膝関節症」の末期の状態です。
初期の段階では、
①.朝起きて歩き始めたとき
②.椅子から立ち上がるとき
③.よく歩いた夕方などに痛みやこわばり
④.深くしゃがんだときに膝の裏がきついような重苦しいような違和感
上記のような症状を覚える方が多いようです。
このように、段だんだんと軟骨が変成して痛んでくることによって、関節が痛くなっていくのが「変形性膝関節症」です。
変形性膝関節症の主な原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
軟骨は手でガリガリとすると削れるぐらいの弱いものですが、通常は私たちが60年生きても擦り減ることはありません。
それが減るということは、何らかの原因があるということです。
一般的な痛みの原因
- 過去のけがが影響
膝の怪我のみならず、足首の怪我から膝へ負担がかかるようになってしまうことがあります。
過去にスポーツによる怪我や交通事故などで膝の靭帯を損傷したり、膝付近の骨折で関節軟骨が傷ついてしまった場合は、後々に「変形性膝関節症」になったりと、膝の不調を誘発しやすい状態になることがあります。
怪我自体は治っていても、関節軟骨の修復は不十分で本来の機能まで回復しない場合もあり、膝関節が不安定になる要素が残っているのが原因です。
- 体重の増加
肥満や急激な体重増加は、膝の痛みを引起すリスクが高くなります。
歩くだけでも、自分の体重の約3倍の重みが膝へかかるのですが、もし10キログラム体重が増えてしまった場合、膝への荷重は約30キログラム増加ということになってしまいます。
肥満により運動不足になると、膝を支える筋力も衰え、膝にとっても良くない状態が続くことになりかねません。
- O脚・X脚
腰や骨盤、股関節周りの筋肉バランスが悪く、O脚やX脚になった場合
●O脚では膝の「内側」
●X脚では膝の「外側」
へ負荷がかかりやすくなり、膝痛へ発展することがあります。
ひどい場合は、膝が伸びにくくなるなどの支障も出てくるリスクもあります。
この場合は関節軟骨のすり減りも進んでいるため、骨と骨の間はさらに狭くなっていきます。
- 太ももの筋肉の低下
膝の曲げ伸ばしをスムーズに行い、あらゆる活動において膝への負荷を和らげるためには、太ももの前・後面にある複数の筋肉の正常な働きが必要になります。
運動不足により筋力不足になったり、日頃の癖や姿勢、疲労などの影響で太ももの筋肉の働きが低下したりと、太ももの筋肉がベストな状態を維持できなくなる要素は、日常生活習慣の中にも沢山あります。
また、怪我や病気などで寝たきりの状態が続いた後も膝を支える筋力が低下することがあります。
最後に
変形性膝関節症には「背骨」のゆがみも大きく関わってきます。
「膝なのに、なぜ背骨なの?」と思うかもしれません。
この「背骨」がゆがむことで、土台の役割をしている骨盤、その骨盤についている脚の骨にまで影響をあたえ、下半身のバランスが崩れてしまうのです。
そして、歩いたり、走ったりなどの動作で、膝自身がねじれが生じます。
これは膝にとっては大きな負担になってしまうのです。
長期間この状態が続いてしまうと、バランスを崩した状態で筋肉に負担がかかり、変形性膝関節症を引き起こします。
ましてや、激しいスポーツなどしているかたでしたら、さらに負担も大きくなります。
「背骨」のズレは、私たちの日常生活での姿勢が大きくかかわります。
よい姿勢を続けることで体に負荷がかからなくなるので、血液やリンパの流れがよくなりますし、膝の痛みも起こりにくくなります。
当院では、背骨の状態を整える整体をして、血流や神経伝達を良くします。
身体の不調の改善や姿勢を正しくするお手伝いをさせていただきます。
普段、意識してもなかなか姿勢が良くならない方、膝の痛みが長年続いている方、どこで施術を受けても膝の痛みが変わらなかった方などいらっしゃると思います。
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当院の施術を受けてみてください。
お電話ありがとうございます、
とも鍼灸治療院でございます。