子どものめまい

「めまい」は子供でもしばしば訴える症状ですが、特に思春期には精神的ストレスの他に「起立性調節障害」が大きな原因のひとつです。

大人と同じように、子どもにも「めまい」が起こりますが、大人とは異なる点があり、改善には周囲の理解と協力が欠かせません。

子どもがめまいを起こし訴える場合、ぐるぐる回っているような感じがする回転性めまいだけでなく、大人とは異なり「くらくらする」「体が浮いているような感じがする」「倒れそうになる」などと表現することもあります。

子どものめまいや立ちくらみは、自律神経の変調から起こりやすい「起立性調節障害」が多く、頭痛やイライラ、腹痛などを伴うケースもあります。

朝礼や体育の時間に倒れてしまう、朝起きられない、天気に体調が左右されるといった状態につながります、怠けているわけではないことをまず理解してあげましょう。

変調の早期発見と家族の理解が重要です。

起立性調節障害とは?

「起立性調節障害」は、体の成長が著しい小学高学年から中・高生など思春期前後に多くみられます

主な症状として、

●立ち上がったときの立ちくらみ

●倦怠(けんたい)感

●朝の寝起きが悪い

●立ち上がったとき目の前が暗くなる

●吐き気

●頭痛

●腹痛

●動悸(どうき)

これらを訴えます。

登校できなかったり、学校に行けたとしても午前中は活動が低下して、授業に身が入らなかったりします。一方、午後から夜には元気なことが多いです。

「起立性調節障害」は、自律神経機能失調の一つと考えられています。

「起立性調節障害」による「めまい」の原因は、体の成長に比べて循環器系や自律神経系などの身体機能の発育が未熟なために、急に起き上がったときに頭部への血液供給が間に合わない場合に起きます。いわゆる脳貧血状態です。

血圧が低下している午前中、季節では気温が上昇して血圧低下が起きやすい春から夏にかけて起きやすい傾向にあります。

身体機能の成長に伴って症状は軽減されていきますが、女の子の場合、成人後も症状が続く場合があります

「起立性調節障害」の子供は、立ち上がると血圧が低下したり、脈拍が急激に変化したりします。

まずは思春期の身体特徴のひとつとして理解し、規則正しい生活に心がけて、急に立ち上がったりしないように注意しましょう。

「めまい」を予防

  • 動作や姿勢を見直しましょう。

普段の動作や姿勢に気をつけるのはとても大切です

日常のちょっとした動作に気をつけるだけで、「起立性調節障害のめまい」や立ちくらみを防げる場合もあります。

まずは、寝た状態や座った姿勢からいきなり立ち上がらず、ゆっくりと立ち上がることを意識してください。

特に朝は、頭を下向きにして前かがみの姿勢で立つと効果的です。

日中は、だるくてもできるだけ横にならないようにしましょう。

机に向かうときは背筋を伸ばし、椅子からはゆっくりと立ち上がりましょう。

長時間の勉強で疲れたら、40℃くらいの蒸しタオルを肩や目に乗せると、収縮した筋肉をときほぐすことができ、肩こりや疲れ目が緩和しやすくなります。

温めると血行がよくなるので、肩こりや疲れ目がやわらぐなどの効果もあります。

  • ストレスをわかってあげる

お子さん本来の体質や、急激な発育やストレスの影響で自律神経のバランスが乱れることも大きな原因と考えられます。

お子さんの変調に気づいたら、学校や塾で変わったことがなかったか、確認してみましょう。

じっくり話を聞く、担任の先生など周囲に相談するといった姿勢が、お子さんのストレスの軽減につながることもあります。

まだまだ子どもと思っていても、友人関係の変化や受験勉強など、子どもでもストレスを感じることが増えているのです

多少のストレスに揺らがない丈夫な心身を育むことも重要です。

健康づくりの基本は、規則正しい食生活と睡眠リズムです。

朝は決まった時刻に起床して、朝食は抜かず、毎日3食をきちんときるだけ家族一緒に食べるようにすると、会話の機会が生まれ、お子さんの変調に気づきやすくなります。

  • 身体を動かして予防

身体を動かす習慣は、大人にも子どもにも必要です。

「起立性調節障害」によるめまいや立ちくらみも予防する効果があります。

できるのであれば、毎日運動しましょう。

スポーツが苦手なお子さんの場合は、家族みんなで散歩がわりのウオーキングを楽しみむのもいいでしょう。ただし、暑い日に屋外で無理に運動するのは避けてください。

早歩きとゆっくり歩きを繰り返す「インターバル歩行」がおすすめです。

  • ぬるめのお風呂でリラックスをしましょう

ストレスや緊張で「交感神経」が活発になり続けると、体調を崩しやすくなるのは、大人も子どもも同じです。

これが原因で、不調が現れるお子さんもいます。そこで、自律神経を整える時間を意識してつくりましょう。

夜はぬるめのお風呂にゆっくりつかってリラックスすることで「副交感神経」が優位になり、自律神経のバランスを整えられます。

入浴すると深部の体温が上昇した後に急降下するので、良眠が得やすくなる効果もあります。

 

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